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日々の暮らしに精一杯で、貯金ができない人は多くいます。これまでは、社会が最低限の生活を保障してくれていたから安心でした。生活保護や年金の支給、探せば明日にでも就職できる現代社会。これらは10〜20年後も変わらないままでしょうか?
高齢化によって年金を受給する人口が増加し、AIやロボットが人間に取って代わる時代。そんな未来が、すぐそばまで来ています。
この記事では、いまからでも間に合う「貯金ゼロからはじめる資産形成」の方法をご紹介します。


年代別貯蓄0割合
●20代………35.6%
●30代………33.7%
●40代………33.7%
●50代………31.8%
●60代………29.4%
●70代以降…28.3%


老後の資産を貯める資産形成とは?
資産形成というと貯金のようなイメージがありますが、その考え方は少しだけ異なります。
30,40代は子育てや住宅購入、50,60代になると老後の過ごし方について考えなければなりません。適切な資産形成とは、人生設計に応じた投資を行うことで、無理なく理想的なセカンドライフを送ることを目標にします。
具体的な資産形成の考え方としては、毎月の余剰金を金利のつかない銀行預金ではなく、投資に充てることで「複利効果」による利益を重ねていきます。
資産形成にあてる余剰金の作り方
資産形成における、基本的な投資の考え方は「元本×運用利回り×運用期間」です。
元本 | 投資に充てられる資金 |
運用利回り | 投資した資金に対して発生する利益率 |
運用期間 | 金融商品に対して投資している期間 |
資産形成において投資を行う際に必要なのが「元本」です。貯金ゼロである場合は、元本となる資金の確保から行う必要があります。
もっとも現実的な手段である「生活を見直して余剰金を増やす方法」について、必要な考え方や実践法を解説。資産形成の下準備を行いましょう。
マネーリテラシーを身に付けよう
マネーリテラシーというと難しく聞こえますが、簡単に説明すると「お金を上手に扱える金銭感覚」です。必要なものを適正価格で買う習慣を身につければ、無駄な出費を大きく削減できます。
その結果、より多くの余剰金が手元に残ることになり、資産形成に充てられるお金が増えます。
節約の第一歩は固定費の見直しから
多くの人は、大きな出費には敏感ですが、毎月支払う固定費には鈍くなりがちです。マネーリテラシーが備わっている人は、はじめに固定費の見直しを行います。
スマートフォンの料金プランやクレジットカードの年会費など、見直すべきポイントはさまざま。毎月1万円の節約をした場合、1年間で12万円の余剰金が生まれます。
多くの余剰金を元本に充てることで、より大きな資産形成が可能になるでしょう。
その外食や飲み会は必要ですか?
友人との外食や同僚との飲み会は、余剰金を減らしてしまう大きな出費になります。その交流は、人生設計のレベルを落としてまで必要なものでしょうか?
日々の出費に対して、自身の将来を豊かにする投資であるか考えることをおすすめします。思考する習慣が身に付くことで、お金は自分が本当に大切にしている人や、人生設計において大きな利益をもたらす選択に使うべきだと思えるはずです。
商品やサービスは最安値をリサーチ
コンビニで食品やドリンクを買うと、スーパーマーケットよりも割高です。また、最安値のショップサイトを利用せず、使い慣れたショップサイトで購入してしまう場合もあります。
このように便利で手軽な選択は、資産形成においてベストではないケースが多いです。商品代だけではなく時間や手間なども大切な要素ですが、それらのほとんどが事前に計画しておくことで対応できます。
例えば、最安値の商品が到着日時を指定できないのなら、逆算して早く注文するような工夫が有効です。
堅実な資産形成に適した金融商品

投資信託
投資信託とは、ファンドマネージャーにお金を預けて投資を任せる、小額から購入可能な金融商品の1つ。
初心者が株式投資などを行う場合、トレードや投資銘柄に関する情報や知識が不足しています。その結果、損失が発生する可能性が高い取引を行ってしまうケースも多いです。
投資信託では、投資家から集めた資金を利用し、株式や債券などさまざまな金融商品に投資。プロが運用するため、情報精査の手間やリスクを抑えた取引を任せられる点が魅力です。
ETF(上場投資信託)
ETFとは、株式投資と投資信託を合わせた性質をもち、投資信託と同じように少額から購入可能な金融商品。非上場の投資信託との違いは、証券取引所でリアルタイムに取引できる点です。
数多くあるETFは、それぞれ株価指数(特定の条件を満たした銘柄の平均値)の値動きにリンク。日経平均のETFを購入した場合、日経平均株価を構成する225銘柄をすべて買ったものと同じになります。
ETFは日経平均だけでなく、アメリカ株や中国株にも投資することが可能で、少額から広範囲の対象に投資できる点が魅力です。
REIT投資
REIT投資とは、通常であれば多額の投資資金を必要とする不動産に対して、少額から投資できる金融商品です。投資家から集めた資金で不動産を購入し、賃料収入や売買利益を投資家に分配します。
オフィスビルや宿泊施設、賃貸マンションや工場など取り扱う不動産はさまざま。幅広い不動産を対象に分散投資を行うため、個人で単一の不動産に投資するよりリスクを軽減できます。
不動産投資のプロが運用を任せ、不動産の管理にかかる手間もない点も魅力です。
iDeCo(個人型確定拠出年金制度)
iDeCoとは、節税対策として注目を集める、私的年金制度です。定期預金か投資信託の購入を選択することが可能で、掛金の積み立てや受け取りの際に、税金が控除されるメリットがあります。
通常、投資信託で得た利益には約20%の課税がありますが、iDeCoで投資信託を利用した場合、発生した利益は非課税になる点も大きなメリット。
定期預金の利用でも一定の節税効果はありますが、投資信託の購入が資産形成に前向きな選択と言えるでしょう。
はじめての資産形成に不向きな金融商品
先ほど紹介した金融商品のほかに、株式やFXなど、他にもさまざまな投資方法あります。これらは王道と呼ばれる金融商品ですが、はじめての資産形成には不向きです。
堅実な金融商品として紹介した投資信託やREIT投資などは、運用のすべてを投資のプロ任せます。それに対して株式やFX、最近話題となった仮想通貨などは、投資先の選定や運用スタイルに自身の判断が必要です。
投資先によってはボラティリティ(金融商品の価格変動)が大きい場合があり、資産が一気に減少してしまう危険性があります。これらの理由から、はじめて資産形成に取り組む方には不向きだと言えます。
危険度の低い金融商品に共通するポイントは3つ。
- 投資先や運用をプロが行う
- ボラティリティが小さい
- 分散投資でリスクを軽減している
これらを満たすものは、堅実な資産形成に適していると言えるので、金融商品を選ぶ際の判断基準にしてみてください。
まとめ:貯金ゼロでも資産形成はできる!
10〜20年後、日本のすべての人々が、いまと同じような公的補助を受けられる保証はありません。年金制度の破綻や失業率の増加がささやかれるなか、理想通りの人生設計には十分な資産形成が必要です。
今までの習慣を見直し、コツコツとプラスを積み上げることが「貯金ゼロからはじめる資産形成」における重要なポイント。
まず、優れたマネーリテラシーを身につけて、堅実な投資に充てられる元本を確保しましょう。時間の使い方や所属するコミュニティについて考え、人生を豊かにする選択にお金を使うことで、有意義なセカンドライフを送れるはずです。



